一橋ICS教授の阿久津 聡先生に今年ビジネスパーソンが読むべき図書、日英各2冊をうかがいました。
「MBAの学生からブランドマネジメントの良い教科書はないかと聞かれたので、ブランドマネジメントの第一人者であるDavid Aakerの書いた教科書をお勧めします。ブランドマネジメントの主要なトピックを、さまざまなケースを交えて包括的にカバーしています。」 (阿久津先生)1994年に発行した『ブランド・エクイティ戦略』によって、マーケティングでのブランドの重要性が決定的なものとして認識された。その立役者は、著者のデービッド・アーカーである。
その後、アーカー教授は、数々の書籍を執筆し、ブランド・アイデンティティ、ブランド拡張、ブランド・ポートフォリオなどの言葉を世に送り出してきた。本書は、そのアーカー教授の20年に及ぶ研究成果を初心者にもわかるようにコンパクトに紹介したものである。
顧客ニーズに通じる見えない文脈の創造はブランディングの最大の課題である。この文脈に着目した新たな手法を事例と共に紹介。
ブランドの考え方から、ブランド戦略へのシナリオ作りへと実務面での応用まで紹介した戦略実践の書。ブランド認知に至るプロセスを、消費者の認知メカニズムである「文脈」(コンテクスト)に着目し、ブランドのメッセージが顧客に伝わる道筋を分析する。
一橋大学商学部卒。同大学大学院商学研究科修士課程修了(商学修士)。 フルブライト奨学生としてカリフォルニア大学バークレー校ハース経営大学院に留学し、MS(経営工学修士)とPh.D.(経営学博士)を取得。同校研究員(1998-1999;2007-2009)。 一橋大学商学部専任講師、一橋大学大学院国際企業戦略研究科准教授などを経て、現職。日本マーケティング学会副会長。株式会社アダストリアなどで社外取締役を務める一方、企業ブランディングによって持続的に業績を向上させる経営のあり方に焦点を当てており、それに関連して、企業ブランドが象徴する経営理念によって従業員の健康まで実現する「健康経営ブランディング」を提唱している。